2010年5月21日金曜日

複視とはどんな世界か

 体験していない人には、ずれて見えるというだけでは一体どんな風に見えているのかわかりにくいでしょう。イメージで説明しましょう。



 たとえば食事のときは以下のような光景になります。




食器が二重に見えるだけでなく箸やスプーンを持つ手も二重ですから、手で食器をつかむ動作から箸で食べ物を挟むといった動作までひと苦労で食事を楽しむどころではありません。






 歩行時の廊下は傾いて見え、ビックリハウスの中にいるような感覚です。床が傾いて見えるので手すりがないと真っ直ぐ歩くことが難しく、また通路に置かれた物や人とすれ違う際、自分と障害物との距離がよくわからないので手で距離を探りながらやり過ごすか、大きく迂回するように歩いていました。




 階段は一段ずれて見え、足で探りながら一段ずつ慎重に昇降しなければなりません。







 トイレでは、二重に見える便器に立ち小便をすることが難しい。的が二つに見えるので便器からそれないように注意しなければなりません。大抵は座ったまま用を足していましたが。


 私の場合、こんな生活が五ヶ月以上続きました。現在でも視野の一部に複視の症状が残っており、寝不足などで眼が疲れていると以前の状態に戻ってしまうこともあります。


 症状が重かった間、テレビを見たり本を読むこともできませんから唯一の娯楽はラジオや音楽を聴くことでした。


 普通に見えると思っていたことが実は微妙で繊細な視神経、眼、筋肉等の働きに支えられていたことを思い知らされました。

普通に見えるってことはありがたいことなんですね。

1 件のコメント:

  1. 頭部外傷後の複視(麻痺性斜視)

    こんばんは。僕の場合は25年前に飲酒運転の車に跳ねられ、頭部外傷後の滑車神経麻痺による右上斜筋麻痺という診断になってます。元々強度近視なのですが、この事が原因で絶えず眼の調子が悪く、現在は緑内障、矯正視力0.8~0.6(眼の調子による)などで眼科に絶えず通ってます。お陰で、仕事も上手くいかず、うつ病(12年目のため、精神障害福祉手帳申請中)と、人生がめちゃくちゃです。複視の手術も何人もの眼科医に相談しましたが、手術するともっと見にくくなると言われています。僕もブログを持っているのでトラックバック?リンク?しておきます。

    http://blogs.yahoo.co.jp/m_mark_n/65706461.html

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