2010年6月1日火曜日

どんなふうにズレて見えるかを観察(パート2)

 右目がZ軸回りに反時計回りに2度ほどズレ、左目はX軸、Z軸回りに9度くらいズレているということはどの眼筋のバランスが狂っているかを考えてみました。

眼球の運動をつかさどる筋肉は6本(下図)。



眼球を動かす脳神経は3種類らしい。

①動眼神経 - 内直筋・上直筋・下直筋・下斜筋
②滑車神経 - 上斜筋
外転神経 - 外転筋

 各筋肉の作用方向は下図。


 これらの図から上下斜筋の伸縮のバランスが崩れ、上斜筋が伸び下斜筋が縮む状態だと右目では反時計回りに、左目は時計回りの回転ズレが起きることになる。更に左目の上直筋が伸び、下直筋が縮んだ状態になると、遠くのものほど上にずれた網膜像になり私の複視の症状と合致する。ただ左目の場合は水平方向に、左から右側に視線を移動しようとすると突然動かなくなったり、ゆっくりとしか視線を移動できなくなることがあるので外直筋と内直筋の協調運動にも問題があるようだ。これは神経麻痺によるものか。事故後、3か月ほどひどい目まいが続きましたが、この「めまい」にも病名が付いているようです。眼球振盪(がんきゅうしんとう)というらしく、「末梢性めまい」の症状が私の症状にぴったり。

 

末梢性めまい

中枢性めまい

めまいの性質

回転性

浮遊性

めまいの程度

重度

軽度

めまいの時間性

突発性、周期性

持続性

めまいと頭位、体位との関係

あり

なし(例外あり)

耳鳴、難聴

あり

なし

脳神経障害

なし

あり

眼振

一側方注視眼振、回転性、水平性

両側方注視眼振、縱眼振

 事故から7ヶ月経ち、現在の状況は目を閉じて眼筋を弛緩させた状態でまだ2~3度(1m当たり3cmほど)ズレています。夜中にトイレに起きる時や、早朝に目を覚ましたときは、視野全体に複視の状態が現れ、数十秒から数分経つと左右のズレが徐々に一致していくという症状が現在でも続いています。日中や疲労が溜まっていないときは両眼のズレは気になりませんが、夜や目が疲れてくると複視の状態に逆戻りしてしまいます。つまり根本的な眼球のズレはまだ残ったままということ。事故当時から比べればそのズレは4分の1程度に改善されてきていますが、完全には、事故前の状態まで回復できていません。

 はたしてこのズレは生涯残ってしまうのか、これからも続けるリハビリで改善されていくものかどうか、まだわかりません。専門家の意見では回復期間は半年から1年くらいらしい。それ以上になると症状は固定化し後遺症として残ってしまうとのこと。老化して眼の筋力が衰えてきたら改善していた複視の症状にまた老後も苦しめられるのか、という不安が頭をよぎります。

 私の体験でわかることは、5~6度の外傷性のズレなら眼球の運動リハビリでかなり改善できるように思われます。10度以上ずれている場合は自然治癒は難しいのではないでしょうか。

 そうはいっても数度のズレでも本を読む、字を書く、コンピュータの画面を見る時、また細かい手作業をするとき、手元で数ミリから1cmほどズレることがあるので大問題です。ソファに横になって本を読んだり、テレビを見ることができないだけでもストレスは溜まります。

 複視は眼筋を弛緩した状態でズレがなくなっていないと完治とはいえません。弛緩した状態でのズレが残っている間はいくら日中よく見えていても、目が疲れてくると複視の状態に簡単に逆戻りします。こんな状態では、仕事で車を運転することも危険です。 困ったものです。片目で見れば良いかというとズレはなくなっても今度は遠近感がなくなり、帯に短しタスキに...です。

 七ヶ月で4分の1にズレが矯正されたことを励みに、どこまで改善できるか、これからもリハビリを続けて経過を記録していきます。予定では5月一杯で完治すると思ってリハビリに励んでいたのですが、どうもまだまだ努力しないといけないようです。

 先天的な斜視の方々は私よりも大変だと思います。複視を体験するまで、斜視とは単に黒目が偏っているくらいにしか理解していませんでした...、お恥ずかしい。 ところが物はずれて見えるは立体視はできないはで、大変なことなんだとわかりました。

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