2010年6月13日日曜日

座ったままでのリハビリ方法

 2.眼筋の協調コントロールトレーニング

 私の左目は視線を左側から右側に移動しようとすると、内外側筋の伸縮がうまくコントロールできなくなり左目の動きがロックされて、勝手に黒目が下側に寄ってしまい物を見ることができなくなることが頻繁に起きました。現在ではロックこそしませんが右側を見ようとするとゆっくりとしか移動できない症状が残っています。
 また視野の四隅(周縁部)を見ようとすると目の奥が突っ張った状態になり、事故後2、3ヶ月は筋肉痛のような強い痛みがありました。痛みといっても筋肉のストレッチで感じるようななものです。徐々に痛みは弱くなっていき最近はツッパリ感が少し残る程度に回復しています
 こんな具合だったので両目を滑らかにかつ、規則的に動かす訓練が必要でした。眼筋のツッパリ感が軽減されないと目を自由に動かせません。そこで次のようなトレーニングを続けました。

 床、壁、天井の直線的な目地などのラインをなぞるように連続的に目で追います。最初はゆっくり、慣れてきたらスピードを変えて。1往復を20回、1セットにして数回行う。これを1日3~4回。
 私の場合は6回から7回ほどやっていました。時々直線的な軌跡ではなく曲線的なものも取り入れてトレーニングに変化をつけます。
 トレーニング中は、視線の先の像がズレて見えていても気にせずにラインを走査する。焦点を合わせながら視線を規則的な対象に沿って動かすことが重要です。

 このトレーニングを退院後、4ヶ月ほど行いました。今ではあまりやっていません。最近は前回述べた眼球のストレッチ運動とズレを矯正するトレーニングくらいになっています。
 

3.ズレを矯正するトレーニング

 このトレーニングは数ミリから数センチ程度のズレとなった視野領域で行う。何10センチもずれたところでやってもストレスが溜まるだけで効果はありません。また、ほぼ一致して見える領域がない場合には行えません。

 私の場合、一致した領域が一部残っていたので、このトレーニングが可能となりました。つまり、正常に見える領域とズレる領域の境界の間を頭を少し傾けて、交互に自分の目の筋肉でどんな差異が生じてズレるのかを感覚的に比較しながら行います。

 まず遠くのものから行い、徐々に2,3メートル手前へとトレーニング対象を近づけていきます。

 少しズレて見える物を見つめて良い側の視線を動かさないように注意しながら(といっても動いてしまいますが、気にせずに気持ちだけは動かさないよう心掛ける)悪いほうの目をほんの少し上、下、左、右、斜めに動かす気持ちで両眼の像が一致するように目を凝らします。これを10秒くらい行い、少し休んでまた同じことを繰り返します。

 ほんの数秒でもズレが一致したときはその時の眼筋の感覚を忘れないよう、何度も同じトレーニングを反復し、一致した感覚を自覚するようにします。
 私の場合は右目を動かさないようにしながら左目を微妙に動かして像が一致するときの左目の状態を探しました。最初は当てずっぽうに動かして一致して見える左目の状態を模索しましたが、自分の目がどのようにずれているのか解ってから、左目の視線を少しだけ右上を見るようにシフトさせるようにすると一致することができるようになりました。

 このトレーニングで1、2秒でも一致させられたなら、2~3週間続けていると数時間以上、持続させられるようになりました。数時間以上、安定して一致させられるようになったらトレーニングの領域を悪い側に少し移動して同様のトレーニングを行います。
 こうやって徐々に一致する視野領域の範囲を拡大していきました。頭を前後、左右に180度の範囲でほぼ一致させられるようになるまで半年近くかかったと思います。今現在も1日に数回行っています。

 ただし、こうやってズレを矯正した場合、どうしても疲れてくると視野の周縁部分からズレが戻ってきます。ひどいときは2、3日氏や全体に複視の症状が戻ってしまうこともありました。
 眼筋を弛緩させた状態で両眼の位置にズレが残っている間は、一時的にズレを一致させられていてもトレーニングによって矯正しているだけなので複視が完全に治ったということではありません。 しかしこの矯正トレーニングを続けることで、半年後には、日中の間だけでも、ズレを一致させていられるようになりました。

4.頭を傾けて視線を走査するトレーニング

 頭の傾斜角度によって個々の眼筋の伸縮度合いが違うので、のトレーニングで一致するようになった視野領域でも頭の傾斜角度を少し変えてしまうと両眼の像がズレてしまいます。

 そこでズレて見える時の状態に頭を傾けたままで、で述べたリハビリを行います。

 次回は身体や頭を動かしながら行うトレーニング方法を紹介します。

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